HubSpotはウェブサイトの制作からマーケティング活動の自動化、商談管理やカスタマーサポートの効率化を実現する「AI搭載型のCRMプラットフォーム」として、多機能で直感的なマーケティング、営業、カスタマーサポートツールとして知られています。
その中でも「HubSpotのCMS(Webコンテンツ管理システム)」は、Webサイトページのコンテンツを直感的な操作で簡単に追加・編集できるツールです。
HubSpot CMSでウェブサイトページを制作する上で、より効率的なウェブページ内のコンテンツ管理を可能にする機能として「HubDB」と呼ばれる機能があります。
そこで本記事では、HubDBの特徴や機能、具体的な活用例、そして利用するメリットについて詳しく解説します。
目次
HubDBとは?
「HubDB」とは、HubSpotのCMS(Webコンテンツ管理システム)で利用可能なデータベース機能であり、ウェブサイトやアプリケーションのデータ管理を効率化するために利用可能な機能を提供しています。
HubDBを利用することで、ウェブページ内のテキストや画像などのコンテンツデータをExcelやGoogleスプレッドシートのようなテーブル形式(行と列の表形式)で管理することができ、行単位のコンテンツデータを元に動的なウェブページを自動生成することが可能となります。
※この機能を使うためにはHubSpotのContent Hub Professional 以上もしくは、Marketing Hub Enterpriseのいずれかが必要となります。
例えば、自社で扱っている製品一覧や従業員紹介一覧、高度な検索が必要な求人情報の掲載といったページを作成する際に、表形式のデータに基づくコンテンツの一元管理と動的なページ制作を行うことができるため、プログラムコードを最小限に抑えながら動的なウェブページを量産することができ、ページの更新作業も大幅に削減することが可能です。
HubDBの機能と特徴
直感的なインターフェース
HubDBのインターフェースは行と列からなるシンプルなテーブル形式でスプレッドシートに似ています。
ExcelやGoogleスプレッドシートのように直感的にデータを操作することが可能で、エントリの作成、編集、削除が簡単に行えます。
出典:HubSpot Docs
動的ページの生成
HubDBを利用することで、データベース内の情報を基にウェブページを自動生成できます。
これにより、同じフォーマットのページを大量に作成する手間が大幅に削減できます。
動的ページを作成するためには、HubDB管理画面の「設定を変更」から「行データを使用した動的ページ作成を有効化」をオンにする必要があります。
HubDBを利用するメリット
HubDBを利用するメリットには、次のようなものが挙げられます。
運用の手間が削減される
HubDBを利用することで、ウェブページ内の大量のコンテンツデータを一元管理することができ、更新が必要な際はスプレッドシート形式で簡単に編集ができるため、手作業によるページ作成や更新の負担が大幅に軽減され、作業効率が大幅に向上します。
SEO対策と分析
各動的ページには固有のURLを割り当てることができるため、効果的なSEO対策が可能になり、検索エンジンでのランキング向上にも寄与します。
また、ページごとの効果分析が可能になることで、どのページが最も訪問者を引き付けているか、どのコンテンツが最もエンゲージメントを生んでいるかなども詳細に把握することが可能です。
HubDBとブログ機能との違い
特徴 | HubDB | ブログ機能 |
---|---|---|
目的 | 動的ページ生成とデータ管理 | コンテンツ作成とSEO対策 |
ページ生成方法 | テーブルから自動生成 | 各記事毎に個別に作成 |
コンテンツ表現力 | ページレイアウトやフォーマットが決まった情報向け | 自由度が高く、多様な表現が可能 |
データの更新 | 一括更新が可能 | 個別記事ごとの更新が必要 |
データの検索 | AND検索やOR検索などの複雑な検索要件に対応できる | 記事のタグ付けによるAND検索には対応できない |
注意すべき点としては、HubDBを活用する場合、動的ページのレイアウトは同一になるという点です。このため、例えば製品紹介ページや求人ページなど、レイアウトが統一されている場合に特に効果的に活用できます。同じデザインのページを複数作成する必要がある場合、HubDBを利用することで作業効率を大幅に向上させることができます。
また、HubDBはデータベース型の機能であるため、SQLのようなプログラム開発でデータの検索や抽出のカスタマイズが行えます。
一覧情報からAND検索を伴うような複雑な検索機能をユーザーに提供したい場合は、HubDBによるページ開発をお勧めします。
例えば、求人一覧ページを作成する場合、「勤務地が東京」でかつ「募集形態が正社員」などのAND条件でのデータ抽出はHubDBでは実装が可能です。
HubDBの特徴
- データベース機能
HubDBは、スプレッドシート形式でデータを管理し、動的なウェブページを生成するためのデータベース機能です。特に、同じフォーマットの情報を大量に扱う場合に便利です。 - 効率的なページ生成
HubDBを使用すると、1つのテーブルから複数のページを自動生成することが可能です。各ページを個別に作成する必要がなくなり、データを一度入力するだけで、異なるページにその情報を反映させることができるため、ページ作成を大幅に効率化できます。 - データの再利用性
HubDBは、テーブル内のデータを再利用しやすく、情報の更新が全ての関連ページに自動的に反映されます。 - フィールドタイプの多様性
HubDBには数値や単行テキストだけでなく、画像やURL、リッチテキストなど、多様なフィールドタイプを使用して情報を格納できます。
ブログ機能の特徴
- コンテンツ作成と管理
HubSpotのブログ機能は、主に記事やコラムなどのコンテンツ作成に適しています。SEO対策やSNSとの連携が強化されており、ターゲット層への幅広いアプローチが可能です。 - 柔軟な表現力
ブログ記事はリッチテキストエディタ(MS WORDのような編集形式)で自由に編集できるため、コンテンツの表現力が高いです。画像やリンクの挿入も簡単で、多様なスタイルで記事コンテンツを作成できます。 - 分析機能
ブログ機能には、訪問者数やエンゲージメントなどを分析するためのツールやSEO機能が備わっており、コンテンツ戦略を改善するためのデータ収集が可能です。
HubDBの活用例
以下にHubDBの具体的な活用例を紹介します。
従業員の一覧ページの例
従業員情報をHubDBに登録し、それを用いてチームメンバーの紹介ページを動的に生成できます。
データの管理は、HubDB側で画像や役職や紹介文、画像などを入力するのみです。
HubDBではリッチテキスト形式のフォーマットも利用することができるため、内容の更新やスタイルの変更を行いたいときでも比較的簡単に編集することが可能です。
HubDBのデータをウェブページ側で取得するには、HubSpotのHubL言語の関数を使用します。複数の行を取得する場合は、hubdb_table_rows() を使用してHubDBで作成したデータを取得します。
コードの例:
データの型に応じたコードを使用することで、大量のデータを取得して表示することが可能です。ウェブページ側のCSSでデザインスタイルを追加することで以下のようなページが自動で作成できます。
また、特定の行のデータを取得して個別のページを作成することも可能です。その場合は、hubdb_table_row を使用します。
コードの例:
例えば、個別のデータを利用して、より詳細なプロフィールページを作成することが可能です。下の画像にある紹介文の部分は、HubDBのリッチテキストと連動しておりHubDBの中で設定した文字の色や太さなどがそのまま反映されています。
求人情報の掲載例
HubDBを活用することで、求人情報を簡単に管理し、求職者向けのページを動的に更新できます。勤務地や職種ごとに複雑なフィルタリング機能を追加することも可能です。
HubDBのサンプル画面
求人一覧のサンプル画面
フィルタリング使用時のサンプル画面
製品紹介ページの例
自社で扱っている製品情報をHubDBに登録することで、大量にある製品情報の管理が効率化できます。
カテゴリーごとに検索できる機能を追加できたり、カテゴリーや仕様ごとに整理して表示することも可能です。
HubDBのサンプル画面
製品一覧ページのサンプル画面
検索機能使用時のサンプル画面
まとめ
HubDBは、HubSpotのCMS機能をさらに強化する強力なツールです。データベースを活用することで、効率的なデータ管理と動的コンテンツの作成が可能になります。
特に、更新頻度が高いページや大量のデータを扱う企業にとって、大幅な時間とコストの削減が期待できます。
アクセサイトはHubSpotの認定ゴールドパートナーとして数多くのHubDBの導入実績があり、豊富な知識と経験を持ったエンジニアが多数在籍しておりますので、HubSpotの導入を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。